「子育ての羅針盤」では様々な切り口で子どもとの付き合い方、理解の仕方をお話ししていきます。それは子どもだけではなく大人の心を育てることにもなるお話です。

「子どもにタテ社会とヨコ社会を教える」(2)

役目というもの

会社というのは個人が何人か集って、資本を出し合って自分たちの利益のために一つの組織を作ってやっていこうというものですよね。人間が複数人が集まって働くと何倍もの仕事ができるようになります。集団の目的は個人の利益のためであって会社のためではないはず。少くとも、会社のために働くことはイコール自分たちのために働くことで、還元されて来るのです。この個人が主で、集団が従というのが"ヨコ割り感覚の社会"です。

親子関係は集団が個人というものを生み出して行き、この世の中は個人が集まって集団を生み出して行きます。いろいろ例外とかはありますが、根本的にはこの二つの成り立ちしか人間関係はないわけです。

ところが、会社とか組織ではヨコ割り社会であるはずなのに目上と目下の関係があります。というより、社長〜部長〜課長〜係長〜平社員というように上下関係が歴然として存在し、上下関係なくしては会社も組織もないという具合です。この上下関係は何かというと、"役目"なんですね。役目が上下関係なんです。人間が上下ではないんです。これは日本人の一番やっかいな感覚です。

本来仕事上においての役目・役割は絶対的に上下です。しかし、いったん仕事が終われば、会社を離れればどちらが上も下もない、ヨコのつながりのはずなんです。そこが今の社会ではなかなか難しい問題です。

実は、親だってそうなんです。親という役目・役割において親子は上下関係だということです。

親という役目を果さなくなったら上下はないということで、対等になってしまいます。つまり、親がその役目を果さないでいて子どもが親の望まぬ方ヘ、たとえば非行というようなことに走ったとしても、上下関係でとやかく言っても無理なのです。

会社のような本来的にヨコ割である社会では、役目や役目意識、そしてその結果は目にみえやすいということがあります。社長や部長が役目を果さなければ会社はつぶれるし、中間管理職やヒラもその役目を果さなければ配置がえなどが容赦なく行なわれます。

それにひきかえ、本来はタテ割りである親子関係では、親の役目が甘くなってしまい"役目を果さない親"がどんどん増えているのが現実です。友達というか、仲間のようなヨコ割りのつながりです。

当然、役目意識の薄い親に育てられた子どもも、役目意識は簿いようです。それは、人間はすべて役目というものを持ってこの世に生まれ、生き、そして死んでいくという感覚が麻痺してしまうことなんです。

 

 


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日本における算命学の第一人者、故・高尾義政氏の法話集から子育てや人間形成に役立つ話を、高尾氏の直弟子だった清水南穂が専門用語をできるだけ省いて、わかりやすく再編集したものです。運命学的見地から親と子供の関係を様々な視点で解説しています。子供の育て方、人間としての生き方の羅針盤として参考にしてください。

 

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