「子育ての羅針盤」では様々な切り口で子どもとの付き合い方、理解の仕方をお話ししていきます。それは子どもだけではなく大人の心を育てることにもなるお話です。

「子どもにタテ社会とヨコ社会を教える」(3)

親の役目

「親の役目」とひと口にいっても、なかなか難しいものですよね。役目としての上下関係も教えこまねばなりませんし、役目を離れれば対等だということも身につけさせなくてはなりません。
家の中ではこう、世の中に出たらこうと、二つのことをバランスよく教えないと・・

上下関係でばかり子どもをしつけると、目上のいうことはなんでもハイ・ハイと素直に聞いてばかりいる子どもに育ててしまうこともありますから。
親の目からはいい子でも、世の中へ出て、人様から可愛いがられ順調に引き立てられていくとは限りません。

組織の中で伸び切れないとか、会社の責任を負わされて首になったり、排斥されたりするような人をみていると、子どもの頃はたいへん素直ないい子であったということが多いんです。
ただ小さいときに慣らされてしまったように、一つの会社で社長が親父、社員が子どもというような感覚になり、親父(社長)のいうことはなんでも聞くというようになってしまっているのです。

このタテ割り感覚だけで育てると、集団のいうこと、進む方向に迎合するだけの人間になってしまい、個人としての運勢を発揮することができなくなるのです。

ヨコ割り感覚を加えて世の中へ出ると、組織や集団に振り回されない人間になる面が期待できます。会社は会社、自分は自分。そういう感じです。ですから、強い不満があったときは「よし、それなら自分で会社を作ってやろうじゃないか」という気も出てきます。

タテ・ヨコのバランス

タテ割り感覚もヨコ割り感覚もバランスよく備えていくのが理想的なのはいうまでもありませんが、これはまず親がそうでなくては話になりません。
つまり、家庭がタテ割りとヨコ割りのバランスがとれていて、はじめて子どもは学びとっていけるんです。

昭和二十年代くらいまで日本は、完壁に近い形でタテ割りだけの家庭でした。その結果は多くを申すまでもなく集団や国家のいいなりになる国民性に色どられてしまいました。

そこヘ、欧米流のヨコ割り感覚がとり入れられ、タテ割り社会も変ってきたのですが、どうもうまくいっていない感じがします。タテ割りにはタテ割りのよさがあるのに、全否定されてしまう。あるいは、タテ割りでいくべきときにヨコ割りで考えてしまうことがある。逆にヨコ割りで処するべきことをついついタテ割りで片づけてしまう。そういう混乱が、夫婦の間や親子の間で起きているようです。

それは、"役目" "役割"というものが家庭の中で確立されず壊れていることに最大の原因があると思われます。

父(夫)、母(妻)の役目・役割が守られず果されず、夫婦及び親子は対等だということが、はきちがえられていると思われます。
とくに20代、30代の夫婦の家庭をみていると、父(夫)の役目・役割、母(妻)の役目・役割をきちんと引き受ける"姿勢"や"覚悟"が薄くなってきています。

これでは、子どもがタテ割り感覚とヨコ割り感覚のバランスの程よいとり方を、どう身につけたら良いのかがわからないのも無理はありません。そのところが親の責任を強調したい理由なんです。

 

 

 


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日本における算命学の第一人者、故・高尾義政氏の法話集から子育てや人間形成に役立つ話を、高尾氏の直弟子だった清水南穂が専門用語をできるだけ省いて、わかりやすく再編集したものです。運命学的見地から親と子供の関係を様々な視点で解説しています。子供の育て方、人間としての生き方の羅針盤として参考にしてください。

 

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